第77回 #東京都合唱祭

　2022年の東京都合唱祭は医科歯科大学コーラス部と山北混声合唱団の2団体で出場しました。東京都合唱連盟の皆様、本当にありがとうございました。そして出演のみなさま、(自団体への賛辞を含めて)おめでとうございます！

　医科歯科大学はコロナの影響で数年ぶりの本番。合わせからたくさんご一緒して、その言葉通り「一から一緒に」音楽作りをしました。試してみる、を大切にする時間を共有できたのかなと思います。

　自分がリモート初演の演奏に携わった「合唱(田中達也作曲・谷川俊太郎作詞)」を演奏するということもあり、私から練習や解釈の提案をする時間もありました。ありがたい。

　学指揮の島田くんがみんなのことをよく見てしっかり引っ張っているのは勿論、団長はじめ団員みんながそれぞれ意見を持ってそれを積極的にぶつけ合う練習時間は本当に楽しかった。初回だけ三好草平さんがいらしたんだけれど、いわゆる「指揮者とピアニスト 対 合唱団」みたいな、一方的なものでなくてそれもすごく心地よかった。

　本番という特別なものに向かう全員の熱意に助けられました。初めて舞台に立つという人たちも少なくなく。全ての本番は等しく尊いものですが、医科歯科のみんなにとって本当に大切なこの本番のピアノを弾かせてもらえたことを心から光栄に思います。

　そして私をピアニストに推薦してくれた団長の津村さん、その縁を繋げてくれたおかりんこと岡部くん、本当にありがとう！！

　会場でしっかりばったり会った上村。目標にしたい憧れの同い年の音楽家。「今日の会場の中で、髪の毛の派手さとピアスの穴の数で優勝できるね」という中身の無い会話をしたけれど、真剣な話を結構頻繁にしていたりします。頑張って生きていこうね。

　コロナで本番どころか練習の機会すら満足に得られなかった学生さんたちに向けて無償で参加できる合唱の企画をするんだと、2021年からずっと思っています。その中には勿論医科歯科のみんなも含まれていて。「あの頃本当に大変だったけど、今楽しいね」という時間を未来に作りたい。

　この数年間、誰にとっても辛い時期だった。特に自分の職業上、せっかく音大に入ったのに／せっかく合唱部選んだのに…みたいな、「せっかく○○なのに」をたくさん見てきた。「何もできなかったし／歌えなかったし」で歌から(音楽から)離れて、その人のこの先の人生に音楽が無くなる可能性は残念ながらある。けど(これは ＃わいやい にもつうじることではあるんだけど)、場所さえあれば何かの可能性が拓けるのなら私はその空間を用意して、音楽を愛する人たちの輪を繋ぎ続けたい。いくら情熱があっても失われた時間を戻すことはできないけど、でもだからこそあり得たいろんな可能性を、私は信じている。一旦音楽から離れたとしても、気軽に戻ってこれる場所を用意していたい。戻ってこれると気軽に思ってほしい。そのために、私は私の日々の活動やメッセージを発信し続ける。誰かの「無くても困りはしないけどあったら楽しい」のリマインダーでありたい。

　山北混声は昨年に引き続き7月18日、誕生日の本番という嬉しい日。講評用紙にたくさん「おめでとう」を書いていただきまして、本当にありがとうございます！25歳になりました。

　まさかのブロック1番手、第一生命ホールに9時集合。みんなよく早起きできました。講評のため中村先生は集合写真不在。帰り道で合成しました。フルメンバーです。

　少人数ながら毎週火曜夜にコツコツと練習を重ねてきました。音楽面は勿論、運営の体制を変えたり団の仕組みを改良したりと、小さい規模ながら進化しています(退化じゃないといいなあ)。

　ことある度に口にしている「立ち飲み屋みたいな合唱団にしたい」という夢はみんなに叶えてもらっています。それぞれの生きる速度で参加したりお休みしたり、でも火曜夜にヤマキタに来れば必ずいい音楽ができる。終わったあとは「また来週ね」ってスッと帰ってまた次の練習日が来る。本当に素敵な仲間に恵まれました。

　肝心の本番はというと、客席で聴いてみたかったな〜！という私的に高い満足度の演奏。ほとんど1人ひとパートというなかなかのプレッシャーの中で、それでも各々の持つ高い歌唱技術がこれでもかというほど発揮されたのではないかと思っています。

　課題として見えた部分は練習でしっかり取り組みます。改善の余地があるということは成長の余地がある。

　ヤマキタのことは別クチでしっかり言葉にします。